黄色いヘアカーラー

私にとって大の苦手なことは「朝早く起きること」。早く寝ようが、遅く寝ようが、布団のヌクヌクから体を出すのを、1分でも先延ばしにしたい、と思う人間である。

ところが、ある朝私は珍しく自然と目がさめ、なぜかすぐに服を着替えた。”早く起きるって、こんなに出勤前に心のゆとりができることだったんだー”と、普段感じたことのない思いにひたっていた。

”そうだ、せっかく早く起きたんだから、たまには前髪をかわいくしてみよう!”

これがそもそもの間違いのもとだった。私は大きめで黄色いカーラーを1つ、前髪にクルンとまいた。おでこの上にカーラーをまいたまま、私はゆっくり朝食をとったり、新聞を読んだり。そんなくつろぎをしているうちに、気づけばいつもの通勤電車ギリギリに!

”うわ~、いそげーーーー”

とドタバタと自宅をでた。すると、道行く人、道行く人、誰もが私のことをじーっと見つめてくる。”あー、やっぱり前髪をかわいくしただけで、こんなに世間の人って見るんだ。”

と嬉しくなっていた私。ずいぶんたってから、ふっと前髪をかきあげようとした瞬間だった。ゴチン。と手に硬いものがさわった。

”えーーーーー!カーラーついたままだった!取り忘れてた!”

誰もが私のことを見ていた真相がこのときようやくわかった。そして同時に、

”どうして誰も、カーラーつけたままになってませんか?”と聞いてくれないんだろう”

と思った。やはり都会の人間は冷たい。そう思ったカーラー事件だった。

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